A型インフルエンザは、毎年十二月から一月にかけてピークになります。予防注射をしたり、予防や対処の手立てについての知識を勉強したりと、流行がひろまる前から注意を払っておく必要があります。今回は、インフルエンザとよくある風邪とのちがい、検査するやり方、患ったときの対処の方法や治療の方法について解説していきます。
◆近くの内科または小児科
しまたに小児科
大阪府堺市西区上714-1
TEL 072-260-2111
インフルエンザの検査方法
インフルエンザを発症しているかどうかを確かめるには、症状の要因がインフルエンザのウイルスであることを見つけることになります。ウイルスに感染しているかどうかを調査する手立てとしては、
1)インフルエンザウイルスが存在するかどうかを確認する
2)体の中にインフルエンザウイルスに対する抗体がつくられているかを見付ける
という二種類の方法がありますが、1)が大体すべての小児科クリニックで実施されています。
迅速診断法という手法がつくられて、10分以内で診断結果を知ることができるようになりました。この診断は、迅速診断キットとよばれる検査器具を使用して、鼻からのぬぐい液を採取して、ウイルスを調べます。すこし痛みを感じる経験をしたことのある方もかなりいるかもしれません。
この迅速診断キットでは、インフルエンザA型、B型を検査出来て、十分以内で検査結果が明らかになります。ただし、かかってすぐの12時間以内のときは、体内のウィルス量があまり多くなく、陰性と判定を受けることもあります。
そのため、陰性と判定を受けた時でも、周囲のインフルエンザの流行の実情を踏まえた上で、かかった翌日に再検査をして確認する場合もあります。
インフルエンザを発病したら?
発症しているあいだの5つの対処法
かかりつけ医師の指示に沿った診療をしてもらう
安静に休養を取る。なんといってもじゅうぶんな睡眠が重要
水分を充分にとる。おちゃや味噌汁等もオーケー
せきやクシャミのせいで、会社の人に二次感染させないようにマスクを着用する
人混みや人通りが多い街への外出を控える。勤め先や小学校に無理して出向かない
子供の場合、突如走り出す、部屋から飛び出そうとする、あっちこっち歩き回るなどの異常行動をおこす危険性もあります。そんなわけで、家で療養している場合、せめて発病してから2日間、出来れば熱がさがるまではあなたのお子さんが一人ぼっちにならないように配慮してください。
発症後の復帰の目安
一般的にいうと、インフルエンザを発病する前日から、発熱して五日間は、鼻やのどからウィルスを空気中に出すと言われているたため、その間は外出を止めておくことが求められます。
学校保健安全法では発病したあと5日が過ぎ、更には、解熱した後二日(幼い子どもは3日)を経過するまでをインフルエンザが理由の出席停止期間としています。けれども、病状により学校の専門医やその他の医師が感染の危険がないと認めた場合は、この限りではありません。
インフルエンザを治すおくすり
厚労省のインフルエンザ総合対策情報によると、平成27年度の抗インフルエンザウィルス薬の供給予定量は、
1)タミフルがおよそ七百万人分
2)リレンザが約三百九十万人分
3)ラピアクターが約75万人分
4)イナビルが約七百万人分
とのことです。
抗インフルエンザ薬の効果は、症状が出てからの時間や病状によって異なるので、使用については、かかりつけの医師の指示にしたがってください。
この薬は、発病から二日間以内の早めの時期にのむと、熱がでている間は多くの場合一日から2日間で短縮され、鼻やノドからのウィルス排出量も減ります。2日以降に飲むと充分な効果は期待できないため、効果が高い使用のためには、用法、用量、期間をしっかり守ることが重要です。
感染症学会のコメントによると、診療所や高齢者向け施設では、インフルエンザの感染力が強いため、タミフル、リレンザ、イナビルを、現況に対応して予防的に投与することがすすめられています。
まとめ
インフルエンザにかからないようにワクチンを注射し、手洗い、うがい、抗菌マスクを着ける予防策が1番です。それでも、どうしても発病するのが、インフルエンザの感染力のつよさです。風邪とまちがわないように、38度をこえる急な発熱、つよい倦怠感、悪寒などの症状があるときには、インフルエンザの可能性を考えてみたほうが良いです。検査でプラスだったときは、発症から二日間以内に適切な抗インフルエンザ薬をのむと、早期に回復が見込まれます。